2016/05/24

ジョハリの窓とは。自己への気付きと人間関係の発展。

[知識]

ジョハリの窓とは、他者に対して自分をどのように開示し、どのように隠しているかを示すモデルです。

また、このモデルは、自己への気付きや自己開示が人間関係の発展と関わっていることも示しています。

元々は、コミュニケーションや人間関係における、自己分析や自己開示のやり方を考えたり、円滑なコミュニケーションを考えるために考案されました。

ちなみに、「ジョハリ」という言葉は、ジョーゼフ・ラフトとハリー・インガムという二人に研究者の名前を合成したもので、特別な意味はありません。

ジョハリの窓は、図1のように4つの窓のような形でモデル化されます。

ジョハリの窓①

(図1:ジョハリの窓)

 

自分には、自分が知っている「私」と知らない「私」、また、他者が知っている「私」と知らない「私」が存在します。

自分が知っているかどうかを横軸に、他者が知っているかどうかを縦軸にとります。

そして、4つの窓はそれぞれ、開放領域、隠蔽領域、盲点領域、未知領域とよばれます。




①開放領域。

開放領域とは、自分も他者も両方が知っている「私」の領域です。

「私」についてのコミュニケーションが自由に行われる領域で、この領域が大きいほど、コミュニケーションは活性化します。

例えば、自分は几帳面な「私」を知っていて、他者もそんな「私」を知っている場合、几帳面という「私」は開放領域に属します。

また、自分は映画好きな「私」を知っていて、他者もそんな「私」を知っている場合、映画好きな「私」は開放領域に属します。

②隠蔽領域。

隠蔽領域とは、自分は知っているけど他者は知らない「私」の領域です。

意図的に隠している場合や、知らせる機会がなくて隠れている場合があります。

例えば、自分は怖がりな「私」を知っているけど、他者はそんな「私」を知らない場合、怖がりな「私」は隠蔽領域に属します。

隠蔽領域の「私」は、自己開示をすることによって相手に知らせることができます。

例えば、「実は僕は怖がりなんだ…」と自己開示することにより、隠蔽領域を縮小し、開放領域を拡大することができます(図2)。

性格や趣味を相手に知らせることで、話題が増えたり、相手との共通点が見つかる場合もあります。

また、自己開示は、相手に対して、信頼していることや好意をもっていることを暗に伝えるので、自分に対しても好感をもってもらえることが多く、コミュニケーションや人間関係が発展することもあります。

自己開示を受け取った相手は、自己開示のお返しをしてくれることもあるので、さらに二者関係は発展していきます。

ジョハリの窓②

(図2:自己開示により隠蔽領域を縮小)

③盲点領域。

盲点領域とは、自分が知らないのに他者が知っている「私」の領域です。

この領域の「私」は、他者から教えてもらったり、フィードバックをしてもらわなければ知ることができません。

例えば、相手から「いつも慎重に考えるよね」と言われ、「自分では慎重なんて思っていなかった」という場合、慎重な「私」は盲点領域に属していたことになります。

相手からのフィードバックにより、慎重な「私」は自分にも知られることになったため、開放領域に属するようになります。

つまり、盲点領域が小さくなり、開放領域が大きくなったわけです(図3)。

自分が知らない「私」は意外と多く、他者との関わりの中で気付かされることも少なくありません。

気兼ねなくフィードバックをもらえる関係性をつくっておくことで、より良く自分のことを知ることができるともいえそうです。

ジョハリの窓③

(図3:フィードバックにより盲点領域を縮小)

④未知領域。

未知領域とは、自分も他者も両方が知らない「私」の領域です。

未知領域の「私」は、まだ誰にも気付かれていません。

上述のような自己開示やフィードバックを繰り返していく中で、自分や他者によって発見されていきます(図4)。

ジョハリの窓④

(図4:自己開示とフィードバックにより未知領域を縮小)

まとめ。

自分のことを一番知ってくれているのは誰でしょうか?

親かもしれないし恋人かもしれないけれど、その人には大きな信頼を感じているように思います。

逆に、相手も大きな信頼を感じてくれているかもしれません。

自己開示のタイミングや内容には注意が必要ではありますが、関係性を発展させるためにはとても重要な要素といえます。

4つの窓の大きさをイメージすることを、人間関係を調整するヒントとして捉えてもらえると嬉しいです。

 

最後まで読んで頂きありがとうございます☆

窓だけじゃなくて、夢まで大きくなることもあるね。




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