2016/09/15

シェアハウスの一冊『こころの処方箋』河合隼雄

[ シェアハウスの本たち ]

こころとは何か。

自分の中にあるけれど、なかなか思い通りにはいかない存在。

本屋さんには、これを読めばこころがわかる、といった謳い文句の本がたくさん並んでいるけれど、本当の意味でこころを理解することは、とても難しいことであると思う。

臨床心理学の専門家であり、カウンセリングの現場で多くの人と会ってきた、河合隼雄先生(勝手に先生と呼ばせてもらっています)は、この本の中で、「人の心などわかるはずがない」と語り始めます。

相手のことを「わかった」と決めつけて楽をするのではなく、こころのエネルギーを使いながら、「わかるはずがない」という態度で相手に接する中で、それまで見えなかったものが見えてくるらしいのです。

そう書くと、心理学の難しい専門書のように思われるかもしれませんが、そんなことはまったくなく、僕たちの普段の生活の近くにあるような物事やこころの動きについて、わかりやすくユーモアを交えて教えてくれる本です。

「マジメも休み休み言え」、「心の支えがたましいの重荷になる」など、短いエッセイ風の文章から、自分や相手や物事について、新たな視点が得られたり、今までとは違う解釈ができるようになるかもしれません。

もう一度、読み返したい一冊です。

 

最後まで読んで頂きありがとうございます☆