2017/04/26

シェアハウスの一冊『砂漠』伊坂幸太郎

[ シェアハウスの本たち ]

いつも物事を俯瞰して冷めている主人公の僕(北村)を中心とする大学生たちの大学生活を描いた、かっこいい青春小説です。

明るくお調子者で、鳥類のような髪型の鳥井。

女優と言っても疑われることのないほど美人で、誰に対しても平等に愛想がない東堂。

穏やかでしなやかな性格で、いつもひだまりの中にいるような雰囲気をもつ南。

猪突猛進、誰に否定されようとも自分の信じた道を突き進む西島。

そんな五人の周りで起こる、合コンや麻雀、ホストとのボーリング対決、通り魔との遭遇など、様々な出来事が主人公の北村の視点から描かれます。

一つ一つの出来事の緊張感や、展開の面白さに加え、物語の中に散りばめられた伏線が最後に回収される伊坂幸太郎らしい構成も、もちろん楽しめます。

物語の中の会話や文章自体もかっこよく、僕にとっては心地いい音楽を聴くような感覚で、どんどん読み進んでしまいます。

また、目立ちたがり屋でいつも幹事役の莞爾、主人公たちに適切な指摘とツッコミをしてくれる鳩麦さん、麻雀好きで謎の経歴をもつ古賀さんなど、魅力的な脇役もたくさん登場します。

僕は今まで3回読みましたが、読むたびに新しいことを考えさせられたり、気づいていなかった伏線に気づいたり、常に楽しむことができます。

きっと、また何年か後に読むことになると思います。

 

最後まで読んで頂きありがとうございます☆