2016/06/07

勉強したい。働きたい。という気持ちを「マズローの欲求階層理論」の視点から考える。

[知識]

「勉強が嫌い」、「仕事をしたくない」という話をよく聴きます。

でも、僕たちは生まれた瞬間から、言葉を覚えて話そうとしたり、立ち上がって歩こうとしたり、親のお手伝いをしようとしたりします。

僕たちは本来、勉強したくて、働きたい生き物といえるわけです。

それなのに、学ぶことや働くことに対する「好き」な気持ちは、いつの頃からか、「嫌い」な気持ちに変わってしまうことも多い気がします。

そこには、親、先生、友人、上司、学校や会社の環境、自分自身など、色々な要因が絡み合っているように思います。

「勉強しなさい」

「勉強しなければ…」

「仕事しろ」

「働かなければ…」

「好きなことを見つけなければ…」

そんな風に言われたり、自分に思い込ませたりしているうちに、どんどん勉強や仕事が嫌いになってしまいそうです。

まずは、自分に対しても他人に対しても、「勉強したい」とか、「働きたい」という気持ちがあることを信じることで、「嫌い」を「好き」に近づけたり、「好き」を「もっと好き」に変えたりすることができるのではないかと思います。

ここでは、僕たちが本来もっているであろう「勉強したい」、「働きたい」という欲求を、マズローの欲求階層論から考えてみたいと思います。

マズローの欲求階層理論とは。

マズローは、「人間は、人類に普遍的で、発生的、本能的な起源をもつ基本的な欲求によって動機づけられている」と考えました。

そして、その欲求を大きく5つに分けました。

(1)生理的欲求:生命維持のため、食物、水、空気、睡眠などを求める。

(2)安全の欲求:心身、財産、雇用、家族などの安全や安定を求める。

(3)所属と愛情の欲求:人と深く理解し合い、受け入れ合う人間関係を求める。

(4)尊敬(承認)の欲求:自尊(自信、自立、有能、自由など)と他者からの承認(名声、注目、評価など)を求める。

(5)自己実現の欲求:自己の可能性と能力を完全に発達させ、実現することを求める。

これらの欲求は図1のように、生理的欲求を基礎とする階層をなしており、下層の欲求がある程度満たされると、上層の欲求が活性化するとされています。

また、自己実現以外の欲求は、ある程度満たされると動機づけの機能が薄れるとされています。

マズローの欲求階層理論

(図1:マズローの欲求階層)

 

この理論は、僕たちのポジティブな成長志向性を信じ、5つの基本的欲求を階層として整理し、僕たちの欲求は重層的で順序性があることを提起したことが画期的でした。

また、常識的に納得できる考え方であったため、教育や産業の場における動機づけの基本的な考え方として注目されました。

ただし、実証的なデータは得られず、理論的なものにとどまっています。

何のために働く?何のために勉強する?

働く理由や勉強する理由は色々と思い付きます。

お金を稼いで食べ物を得るため(生理的欲求)。

貯金をしたり、安全な家に住むため(安全の欲求)。

チームの仲間と理解し合いながら目標を達成し、信頼関係をつくるため(所属と愛情の欲求)。

自分で自分を認めるため、また、他人や社会に認めてもらうため(尊敬の欲求)。

自分のやりたいことを実現するため(自己実現の欲求)。

これらの欲求は、今は活性化していないかもしれません。

でも、潜在的にはこんな欲求があるのだと思えば、無理に「働かなければ…」、「勉強しなければ…」と自分や他人を急き立てなくても良いと思います。

また、自分が今どんな欲求をもっているのかを考え、それを満たしていけば次の段階の欲求が活性化し、働く意欲や勉強する意欲が自然と湧いてくるかもしれません。

上の階層の欲求をもっているのが良い、というわけではありません。

でも、「働きたい」、「勉強したい」という本来僕たちに備わっている純粋な気持ちを大切にすることで、仕事や勉強はもっと楽しくなると思います。

 

最後まで読んで頂きありがとうございます☆

僕たちは意外と輝ける。

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