2017/02/24
シェアハウスの一冊『陰日向に咲く』劇団ひとり
[ シェアハウスの本たち ]
今でこそ、僕は本が好きで、図書館で働いたり、『本でつながるシェアハウス』を運営したりしているのですが、小さな頃は読書嫌いでした。
二十歳くらいの頃から、読書のおもしろさがわかってきて、少しずつ本が好きになっていきました。
劇団ひとりの『陰日向に咲く』は、僕を本の世界に強く引き込んでくれた作品の一つです。
この作品は、群像劇のようなスタイルで話が進んでいきます。
ホームレスに憧れる会社員、人気の出ないアイドルを一途に応援する青年、合コンで出会った男に遊ばれる女子大生、老人に詐欺をはたらこうとするギャンブラー。
彼らは基本的にはつながりのない人たちなのですが、ときどき彼らの人生は交錯したりします。
「構成」というものには昔から興味をもっていたのですが、小説でもこんなにおもしろい構成があるのだな、と驚きました。
また、登場人物たちの気持ちの捉え方や描写もやさしく、涙が流れる場面もありました。
それまでは、映画や音楽やコントや漫才でしか感動したことがなかったので、新たな感動を得られて嬉しかったことを覚えています。
この本を読んだ後、感想をブログにアップしたら、読書大好きな先輩がブログを読んでくれて、この本が好きならこれも好きだろう、という感じでオススメの本を教えてくれました。
その本は、村上春樹の『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』と、伊坂幸太郎の『ラッシュライフ』でした。
二冊ともとても面白いストーリーだと思ったし、やっぱり、本ってこんなに面白いことができるんだ、と感動しました。
それ以来、本を読むことがどんどん楽しくなり、本にまつわる色々なことも考えるようになりました。
そして特に、伊坂幸太郎の言葉やリズムや哲学には心を掴まれ、その後も伊坂ワールドへ引き込まれていくのでした。
最後まで読んで頂きありがとうございます☆