2016/09/10

シェアハウスの一冊『酒井若菜と8人の男たち』酒井若菜

[ シェアハウスの本たち ]

そんなに好きではなかったけれど、いつも近くにいたら、いつの間にか気になる存在になっていた、なんてことはたまにある。

酒井若菜は、僕にとってそんな存在です。

いや、もちろん実際に近くにいたわけではなく、僕が高校生や大学生だった頃、好きになったドラマや映画の中に「いた」だけであります。

ドラマ『池袋ウエストゲートパーク』や『木更津キャッツアイ』、映画『虹の女神』や『恋の門』など、酒井若菜が主役のものばかりではないけれど、なんだかいつも「いる」なぁ、と僕は感じていたわけです。

そして数年後、『心がおぼつかない夜に』という彼女の著書や、彼女のブログの存在を僕は知り、読んでみてびっくりすることになります。

「苦しかった時期」を乗り越えた優しさや、読む人への気遣いを、繊細な文章で表現しているなぁ、と感じたからです。

彼女の文章にも心を惹かれることになった僕は、その後の活動にも注目していたのですが、そんなときにこの本『酒井若菜と8人の男たち』が出たわけです。

この本は、酒井若菜と、彼女と親交のある8人の男たちとの対談集です。対談には特別なテーマはなく、それぞれの「親交」そのものについて語り合っています。

「苦しかった時期」に支えてもらった話や、逆に支えた話、共演したドラマや映画に対する想いなどが語られ、それぞれの対談の後には、彼女のエッセイが付け加えられています。

全体としてみると、単なる対談集ではなく、「酒井若菜」という一つの物語になっているように感じます。

そして、そうなるように、彼女自身が構成を考えて、本を創り上げているところがまたすごい。

さらに酒井若菜を好きになってしまう一冊でした。

 

最後まで読んで頂きありがとうございます☆