2016/10/23

図書館に住みたい!

[ シェアハウスの雑談 ]

『本でつながるシェアハウス』は、「図書館に住みたい!」という僕のわがままからスタートしています。

僕は、本がたくさんある場所が大好きで、図書館で働き、時間があれば、色々な図書館や本屋を巡っています。

本が置いてあるような喫茶店や、本を読むのにちょうど良い感じの場所も好きです。

読書も好きではありますが、本の存在自体が好きです。

本がたくさんある空間の独特の静けさや、重みのある落ち着いた雰囲気が好きなのです。

そんな空間をつくることができるのは、本がもっているチカラなのではないか、と僕は思っています。

そんなことを考えているうちに、いつか自分の家を図書館みたいにしたいなぁ、と思うようになりました。

書斎や図書室のある家ではなくて、家全体を図書館のようにしたい、というイメージです。

そして、自分の本だけではなく、色々な人の好きな本が集まってくる様子も楽しそうだなぁ、と思っていました。

小説、漫画、対談集、写真集、雑誌、地図、などなど、色々な種類の本を並べて、他にはないような、ちょっといい図書館をつくっていきたい、と思っています。

松本人志にはまっていた中学時代。

今でこそ、色々な本を読むようになりましたが、小さな頃は、本が嫌いでした。

読書感想文の宿題は、内容は関係なく、とにかくできるだけ薄い本を選んでいました。

漫画もあまり読んでいなかったと思います。

おそらく初めて自分の意思で本を読み、本当に面白いと感じたのは、中学生の頃に読んだ松本人志の『遺書』だったと思います。

その頃の僕は、松本人志が大好きで(今もですが)、『HEY!HEY!HEY!』や『ごっつええ感じ』を毎週見ていました。

発想の面白さだけではなくて、発想の根本にある松本人志の世界観のようなものにはまっていました。

『遺書』は、独自の発想で世の中に対して物申す的な本で、屁理屈もあるけれど、うまく言葉にできない自分の中のモヤモヤを代弁してくれているような気持ち良さがありました。

極端に言えば、僕にとって、それは「救い」だったのだと思います。

その後も、『松本』や、島田紳助との共著『哲学』など、読書が嫌いだったはずの僕が、自然と本の世界に引き込まれていくのでした。

この頃は、本はあまり読んでいなかったけれど、音楽の歌詞など、「ことば」には少し興味をもっていました。

ミスチルやスピッツの表現やことば選び、椎名林檎のちょっと病的な世界観には強く惹かれていました。

色々な漫画と出会った高校時代。

高校生になってからは、周りの友人の影響もあり、色々な漫画を読み始めました。

『ジョジョの奇妙な冒険』もこの頃に初めて読みました。

友人が学校に持って来ていたので、みんなで回し読みしていました。

それまで、『ドラゴンボール』や『北斗の拳』などの格闘系漫画には、ほとんどはまらなかったのに、これを読んで、「こんなすごい戦いが描けるんだ!」と驚きました。

特殊能力のアイデアも面白いし、お互いのそれを見破っていく過程や、緊迫感のある心理戦もとても面白い。

大人になってから、もう一度読みたいなと思い、集めました。

高校の頃、一番はまったのは、『H2』や『タッチ』など、あだち充作品でした。

その中でも『H2』は、今でも一番好きな漫画です。

どの漫画を読んでも、主人公の顔の見分けがつかないほど繊細さのない絵で、作者自らも漫画の中でそれをネタにしている場面もありますが、その反面、驚くほどの繊細さで、思春期の恋愛や友情を描いているところがすごいなと思います。

そして、主人公のやさしさとつよさは、僕のあこがれであり、目標でもあります。

また、この頃から映画を見るようになり、映像による物語や世界観に惹かれるようにもなりました。

世界観が大好きな映画『スワロウテイル』にも、この頃に出会いました。

小説を読み始めた大学時代。

大学に入った頃から、少しずつ小説を読むようになりました。

初めはなんとなく、江國香織の小説を読んでいました。

なぜ読み始めたのかはよく覚えていませんが、小説を読んでいるのがかっこよさそうだからとか、そんな単純なことを考えていたように思います。

その後しばらく経ってから、劇団ひとりの小説『陰日向に咲く』に出会いました。

少し話がずれますが、その頃は、コントや漫才にもはまっていました。

『オンエアバトル』が大好きで毎週見ていたのですが、そのときにアンジャッシュの勘違いコントを見て、衝撃を受け、感動しました。

それまでは、お笑いとはボケとツッコミ、という概念しか僕の中にはなかったのですが、それが大きく覆され、お笑いの世界の可能性のすごさに惹かれ始めました。

そんな感じで、芸人へのリスペクト度合いが高まっていた頃であり、割と好きな劇団ひとりの小説でもあったので、読んでみることにしました。

そして、この本が、それまで知らなかった小説の魅力を僕に教えてくれることになります。

ちょっと変わった登場人物たちの群像劇で、それぞれの視点でそれぞれの物語が進んでいくのですが、巧みに伏線が張られ複数の物語が交錯していく、という構成が僕にとっては新鮮で、これまた、小説の世界の可能性のすごさに惹かれていきました。

この本の感想をブログに載せたところ、読書好きの先輩から、村上春樹の『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』や、伊坂幸太郎の『ラッシュライフ』をおすすめしてもらい、僕の読書の世界が広がっていきます。

特に、伊坂ワールドにはどんどん引き込まれていきました。

そんなこんなで、今。

そんなこんなを経て、ようやく今の本好きの僕がいます。

小説、エッセイ、漫画、対談、写真、映画、音楽、建築、ことば、物語、こころ、ひと、まち、などなど、興味の幅も昔より大きく広がったように思います。

『本でつながるシェアハウス』は、今の僕をそのまま表現したような場所でもあります。

ただ、自分の世界観だけでは閉じてしまうし、僕自身がなんとなく飽きてしまいそうなので、新しいひとや本との出会い、本と本の出会い、ひととひとの出会いを通して、想定外のことを楽しみながら、世界が広がっていくといいなぁ、と思っています。

 

最後まで読んで頂きありがとうございます☆