2016/04/05
同僚がうつになりまして。うつとの接し方を考えてみる。
[日々の想い]
厚生労働省の調査によると、うつ病を経験したことがある人は15人に1人と言われており、うつ病は意外と身近に存在していると言えます。
会社の同僚や友人や家族がうつ病になった、という方も多いかもしれません。僕が以前に勤めていた会社でも、同僚がうつで苦しんでいたことがあります。
本日は、僕がうつの同僚と接した経験から、感じたことや考えたことについて書いてみようと思います。
主に会社の同僚との接し方について書いていますが、友人や家族との接し方の参考にもなれば幸いです。
なお、「うつの人を無理に励まさない」などといったテクニック的なことは書いていません。主に、うつと接するときの自分自身の心のあり方について書いていますので、ご了承ください。
まずは自分自身を大切にする。
同僚でも友達でも家族でも、うつの人と接するのは思いのほかエネルギーを消耗します。
例えば、会社を休んでいる同僚へ、気遣いのメールを送っても返信がないことはよくあります。返信くらいできるだろうと相手を責める気持ちが生まれることもあるかもしれませんが、うつのときは、メールを返すことすら辛いものです。
とはいえ、返信がないのは不安になるし、自分の無力さに辛くなることもあるかもしれません。悶々と考えているとそれだけで疲れることもあります。
また、自分自身の仕事や役割もあれば、なおさらエネルギーを消耗していきます。
僕も同僚に対して何かしたい想いから行動し、エネルギーを消耗していましたが、次第に、まずは自分自身を一番に考えることが大切だと思うようになりました。
自分自身がいなくなってしまえば、誰にも何にもしてあげることはできません。
溺れそうで苦しんでいる人からしても、溺れている人につかまりたくはないはずですし、無理につかまってもらっても一緒に沈んでしまっては意味がありません。
まずは、自分自身が溺れてしまわないように、身体と心の健康を保つことが大切だと思います。
役に立ちたい自分がいることを知っておく。
うつの人に声をかけたり、寄り添ったりすることはとても大切です。専門家による薬の処方やカウンセリングだけでなく、身近な人のサポートが立ち直るきっかけにもなることもよくあると思います。
でも、声をかけたり、寄り添ったりするとき、自分の気持ちを押し付け過ぎないことも大切です。うつのときは、相手の気持ちを受け取ることすら辛いこともあるし、受け取れないことを申し訳なく感じ、さらに辛くなってしまうこともあります。
僕も、声をかけたいという自分の気持ちを押し付け過ぎたと反省したことがあります。
声をかけたいとか、寄り添いたいとか、誰かの役に立ちたい気持ちは素晴らしいものです。当然、僕も役に立ちたいと思いますし、それは悪いことではないと思います。
でも、役に立ちたいとか、それによって認められたいというのは自分の欲求です。
欲求はあって当然ですが、そんな自分がいることを知っておくことも大切です。
相手のための行動ではあるけれど、自分のための行動という側面もあるのです。それを相手に押し付け過ぎるのは、相手を苦しめる危険もあると思います。
自分を正しいと思い過ぎない。
誰かを助けたいという気持ちは素晴らしいことだと思いますが、ときに正義っぽくなり過ぎたり、自分を正当化し過ぎたりすることもあります。
それゆえに少し危険な部分もあり、助けてあげているのだから感謝されるべきだとか、もっと頼られるべきだと思い、相手からの返事や見返りを求め過ぎることもあります。
自分を正しいと思い過ぎると、その正しさに答えない相手を正しくないと責める気持ちが生まれてしまう可能性があるのです。
でも、うつのときは、誰かに話したりすることすら辛い、親しいからこそ話しにくい、という気持ちもあります。そんな相手の気持ちを考えてみることも大切です。
自分の行動に自信をもちつつ過信はしない、というバランス感覚が大切だと思います。
同僚としての距離感を考えてみる。
同僚に対して、家族とか恋人とか親友のように寄り添ってサポートしたいと思うこともあるかもしれません。
でも、それも先に書いたように自分の欲求です。役に立ちたい、認められたい、自分を満たしたい、という自分がいるかもしれません。
もちろん、寄り添う覚悟と関係性があれば問題ないのですが、実際には自分にも大切な家族や恋人や親友や自分自身がいるはずです。
少し冷たいようですが、自分の欲求や相手との関係を俯瞰し、冷静になって、自分の気持ちを押し付けすぎないようにすることが大切だと思います。
また、誰かを助けるということは、同時に誰かを苦しめている可能性もあります。本当に今助けるべき自分や家族がいないか考えてみることも大切だと思います。
その上で助けたいと思ったら、同僚としての距離感の中で、できることを精一杯するということが大切です。
声をかけやすい関係をつくっておく。
そもそもですが、同僚が辛いときに声をかけたいと思っても、その前提となる関係がなければ、声をかけにくいし相手も話にくいものです。
「聴く」という行為はその場だけで成り立つものではなく、関係性をつくる段階から長い時間をかけて行うものだと思います。
いざというときのために、声をかけやすい関係をつくっておくこと、声をかけてもらえるような自分になっておくことが大切だと思います。
まとめ。
本日は、自分の経験と反省から、うつの同僚と接するときの心構えのようなことを書いてみました。
うつの同僚に対する身近な人のサポートはとても大切だと思いますが、気負い過ぎず、今の自分ができることをする、そして、できないことはしない、ということが大切だと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございます☆
できることをしよう。
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