2016/11/05
ゆめだけど、ゆめじゃなかった。
[日々の想い]
『となりのトトロ』はやっぱりすごいなぁと思う。
サツキとメイがトトロと出会う場面はとても印象に残る。
まず最初に、妹のメイがトトロと出会う。
家の庭で遊んでいたメイが小さなトトロを発見し、逃げるトトロを追いかけて行ったら木の穴に落ちて、大きなトトロと出会うことになる。
昼寝をしている大きなトトロに「あなたはだれ?」と聞くと、なにやら寝言のような返事が返ってくるけれど、ことばとしては聞き取れない。
でも、メイは「あなたトトロね!」と嬉しそうに答える。
きっと、メイは「わかった」のだ。
メイからトトロの話を聞いたサツキは、自分も会いたいと思うけれど、出会いはもう少し後になる。
ある日、お父さんの帰りが遅く、雨も降ってきたので、傘を持って二人でバス停まで迎えに行くことになる。
サツキが傘をさしながら、待ちくたびれて眠くなったメイをおんぶして待っていると、なにやら隣に気配を感じるのである。
まず、傘の下の方に大きな足が見える。ここはサツキの目線から描かれている。
サツキが恐る恐る顔を上げてみると、「へんないきもの」が立っている。どうやらバスを待っているようだ。
ここでサツキも、この「へんないきもの」がトトロなのだと「わかる」のだ。
サツキはトトロに傘を貸してあげる。
次のカットでは、サツキとトトロが正面を向いて、傘をさしながら並んで立っているのが描かれ、とても印象的な場面となっている。
しばらくするとネコバスが登場し、トトロはそれに乗って行ってしまうのだけれど、傘のお礼に小さな包みをくれる。
家に返って包みを開けてみると、中には木の実が入っていて、サツキとメイはそれを庭に埋めることにする。
なかなか芽が出ないなぁと嘆いていると、ある夜、庭にトトロがやってくる。
トトロは、芽が出るようにおまじないのようなことをしている。
目を覚ました二人もトトロと一緒におまじないをする。
すると、一つ二つと芽が出て、さらにおまじないを続けると、芽はどんどん成長し、家よりも大きな木になる。
その後、しばらくトトロと空中散歩を楽しむのだけれど、気が付くと朝になっている。
目を覚ました二人は、庭の大きな木がなくなっていることにがっかりするけれど、小さな芽が出ていることを発見し大喜びする。
そこでこのセリフが登場する。
「ゆめだけど、ゆめじゃなかった。」
トトロがいることも、トトロだとわかることも、ゆめと現実が曖昧なことも、二人にとってはきっと「ふつう」のことなのだ。
最後まで読んで頂きありがとうございます☆
「へんないきもの」はいる、と僕は思う。
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